忘れないよ!Mさん!

チアフル夫婦

2021年02月14日 21:23

こんにちは、富士市西部で地域密着型デイサービス「せっちゃん家」を営んでいる鈴木です。

 年明け早々に悲しい出来事が起こりました。利用者のお一人が亡くなられたのです。ひょうきんで皆を笑わせ明るく愉快なおじいさんでした。ただ、介護度が3から5に上がりADLの低下が顕著で、歩行困難からお迎えもベッドから起こして車椅子に移乗させて連れてくるという状態でした。暮れには食欲もなくなってきていたのでミキサー食にして流し込むなど工夫して召し上がっていただいていました。

 そんなMさんが、1月の第一週の利用を終え、ご自宅に帰られた土日の間に様子が一変、救急車で病院に運ばれ入院、ほどなく帰らぬ人になってしまいました。ケアマネさんから入院は知らされていましたが、訃報があまりにも早かったので驚きました。葬儀は家族葬と言うことで会葬はご遠慮いたしましたが、奥さんから「線香でも上げに来てください」との連絡をもらい弔問にお邪魔しました。

 奥さんからは「デイサービスから帰ると元気なんですよね。色々面倒を見ていただき本当に助かりました。お世話になりました」と感謝の言葉をたくさんいただき恐縮しました。でも、一番心に残ったのは、壁に貼られた在りし日のMさんのスナップ写真でした。7枚くらいが大きく引き伸ばされて一枚の壁紙にレイアウトされて貼られていたのですが、一枚を除いてすべてせっちゃん家で撮られたモノでした。

 大笑いしている一枚、慣れない棒体操で緊張している様子の一枚、脳トレに真剣に取り組んでいる真面目顔の一枚など、一日の様子を家族に知ってもらうために連絡帳に挟んで持って帰ってもらった写真が使われていました。壁紙を見た会葬者の間では「この笑顔がいいね」などと写真がひとしきり話題になったそうです。感謝の言葉だけでも身に余るのに、壁紙はそれ以上に「せっちゃん家での一日一日を大切にしていました」と言われているようでとてもうれしかったです。

 これからも多くの利用者と長くはないお付き合いが続くと思います。今回の一件は「それでも精一杯お世話をして、本人はもちろん、家族にも喜んでいただこう」。そんな気持ちを改めて強くさせました。

 「Mさん、ありがとう。いつまでも忘れませんよ。安らかに」

 

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