防火対象物使用開始届?
こんにちは、富士市で地域密着型デイサービス「せっちゃん家」の開業を目指しています鈴木です。
地域密着型デイサービスの新規指定申請の追加書類がそろっていくなかで、意外に手間取ったものがありました。消防署に提出する「防火対象物使用開始届」です。読んで字のごとく、「民家を改装して新たに防火対象になるデイサービスを始めます」旨、届け出るものですが、これがすんなりいきませんでした。届け出用紙自体は消防署のホームページからダウンロードできますので、これに必要事項を記入して消防署に相談に行ったのですが、不愉快の連続でした。
公僕と言われる人たちは、相談に来た市民に対して、受容的、反批判的な態度で接するべきだと思いますが、今回の窓口の職員の何人かにはまったくそんな姿勢が見られませんでした。素人を前に専門用語を駆使して説明、理解できないでいると小ばかにしたような態度で応対されました。挙句に、応対する職員で言うことが違う。
それでも喧嘩をするわけにはいきません。何しろ、新規指定がかかっています。怒りを抑えつつ話あいました。どうやら問題点は、うちのデイサービスが宿泊サービスを行う点のようです。老人ばかりに部屋を貸していたアパートが火災になり、複数の老人が死亡した事故を契機に、消防法が改正され、宿泊サービスをする介護事業所にはスプリンクラーの設置を求めるなど厳しくなったことが影響したようです。消防署としては、そうした対象事業所かどうかを厳格に見ていることが分かりました。
法改正は承知していましたので、うちの宿泊サービスは、スプリンクラー設置の要件(直近3カ月の宿泊サービス利用者のうちわけで、介護度3を上回る宿泊者の割合が全宿泊者の半分以上になる日が、全体の過半になる)に抵触しないよう、介護度の軽い(介護度1、2)利用者を中心にしたモノにしていました。そのことを説明しても、あまり、理解を得られません。
そんな膠着状態の打開は、思いがけないところからでした。いずれ、防火設備は、ホームセンターで買える家庭用火災探知機のようなモノとは違う規格のモノが求められるのが分かりましたので、そうした防火設備を販売設置する業者に聞いてみようと、とある業者を訪ねたことが良かった。その業者は、誠実な対応をしてくれました。消防署の職員とも仕事で日常的に会話を交わす仲にあり、消防署の立場もよく理解したうえで、「法に抵触するケースかどうかの見極めが消防署ではつかないのが問題。それがはっきりすれば、おのずと必要となる消防設備の設置品目が決まりますから」と教えてくれました。
改めて消防署を訪ねた私は、その業者との話し合いを踏まえ、自分たちのデイサービスがスプリンクラー設置基準に抵触しない形で宿泊サービスを実施することを市にも届け出ていることを説明しました。業者の名前を出したことも影響したのか、職員の姿勢はこれまでより軟化した印象で、穏やかに話は進み、結局、法に抵触しない運営を心がける旨、誓約書を入れることで届け出を受けてもらえることに落ち着きました。
これで、最後の申請書類にめどがつきました。やれやれです。「防火対象物使用開始届」は素人が出しに行くより、消防署の職員とも親しい防火設備の設置業者に中に入ってもらうほうが、話がスムーズに進む。今回の一件で私が学んだことです。
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